でもやっぱり気になるコーヒーの効果
こんにちは、テレビ台を新調したら、DVDレコーダーの奥行きが長すぎて
入らず、結局レコーダーも新調する羽目になったルーペちゃんです。
技術の進歩は日進月歩と言いますが、まだ7年しか経っていないのに
テレビ周辺機器はずいぶん小型化したようです。
調べてみると最近のDVDレコーダーの奥行きは大体20センチ前後なのに
対し、我が家のそれは35センチもありました。
入らないわけだ!
あんなに暑い暑いと騒いでいてもありがたいもので
いつの間にか季節は移り変わっていくものです。
秋の夜長、お気に入りの焙煎家から取り寄せたコーヒーを飲みながら、
DVDでも観ましょうかね。
リラックスタイムに飲むコーヒーと、朝の身体にエンジンをかけるため
飲むコーヒーと、意味合いが全く違うのに同じものを飲んでいることに
疑問を感じたことはありませんか?
コーヒーは「興奮時に鎮静を与え、鎮静時に興奮を与える」という
不思議な特徴を持っており、この神秘的な飲み物について、
いまや世界中で科学的・医学的研究が行われています。
ルーペちゃんは以前このブログで書いたように、どちらかといえば
コーヒーは純粋に情緒的に楽しみたい、と考えておりますが、
最近読んだコーヒーについての本が劇的に面白かったのと、
「科学的な分析が情緒を邪魔するものではない」との考えから、
今回はその本の内容をご紹介してみようと思います。
その本とは、「コーヒーの医学」(日本評論社、野田光彦編著)。
ちょっと気軽に手にとってみたくなる題名ですが、あにはからんや
中身があまりにも硬派で、バッサリと裏切られます。
20名を超える研究者がそれぞれの項目を担当し、
コーヒーと様々な病気の関係について研究した内容を発表しています。
ほぼ論文なので、理系以外の人にはかなり厳しいです。
「コーヒー成分の糖代謝の薬理学」「コーヒー摂取と高血圧・虚血性
心疾患の疫学」「コーヒー摂取とピロリ菌、消化性潰瘍」などなど。
ヘ(+ω+ ;))_ 文系のルーペちゃんはバタンキュ~。
分からないながらも飛ばし飛ばし読んでみると、
コーヒーという食品の持つ神秘性がいまだ数多くの研究者を
魅了するものであることがわかります。
古くから飲まれているわりには未知の部分が多く、また未知の
部分をひとつひとつ解明していくと科学的に興味深いものが
多いからなのでしょう。
そんな研究途上といえるコーヒーの効能ですが、諸疾患との
関係で言えば、その効果がほぼ確立されたとされているのが以下の疾病。
肝障害、肝硬変、肝臓がん、糖尿病、低血糖予防、高尿酸血症
特に糖尿病発症リスクを低減させることは世界中から報告されており、
国立がん研究センターによる調査では、毎日1~2杯飲む人の
発症リスクは全く飲まない人の2分の1、毎日5杯以上飲む人は
4分の1に低下したとのことです。
動脈硬化や血栓、脳卒中、高血圧、肝臓以外の諸臓器のがんを
予防しうるかは、いくつかの有意な研究結果が発表されているものの
まだ評価が確立したとは言えません。
ただ、コーヒーにに含まれる「クロロゲン酸」(ちょっと前まで
クロロゲン酸を強化したというトクホのコーヒー飲料が盛んに
CMをしていましたが)はポリフェノールの一種。
ポリフェノールの酸化防止効果が細胞のがん化を防ぐのではないか
と考えられています。
ただ、特定の病気に何らかの効果があるとしても、
自分の許容量を超える量を摂取することが身体に良いわけはありません。
豆乳がブームになったときの「イソフラボン過剰摂取問題」を
忘れてはいけません。
(参考:食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」)
くしくもこの本の編者、野田光彦先生が「序にかえて」という文章の結びに
書いておられる内容がこの本のスタンス、そして我々が従うべき
指針となるものを余すところなく表現されていると思ったので、
最後に引用させていただきます。
「もとより食品に薬剤のような効果が望めるわけではありません。
どのような食品であっても、食品として節度を持って摂取するのが望ましく、
いわんや一つの食品を食すればこと足りるというようなことはありえません。
TV番組や雑誌などによる誇張をもった報道に惑わされることなく、
バランスの取れた食生活をめざしたいものです。」