猫の鳴き声、鈴の音。子供の声はうるさくない。
こんにちは、ルーペちゃんです。
●テニスラケットの公園
ルーペちゃんが住んでいる街は、埋立地に都市計画されて作られた新しい街なので、碁盤の目のひとつずつにマンションが建っています。
100%マンション住民で多様性に欠けるものの、治安が良くて落ち着いた街です。
たとえばマンションの前に放置しておいた新品の電動自転車が、鍵をかけ忘れた状態で3日間何事もなかったとかですね。
この話で最も責められるべきは、3日間マンションの前に自転車を放置していた私ですがそれはおいといて。
とにかく治安がいいというのが自慢。
特に私が心打たれたのがこちらの光景。
石畳の広場がある公園に、誰かがラケットとテニスボールを設置しました。
これで自由に遊んでちょうだい、と。
実はこれ、設置されて1年くらいたつのですが、いまだにラケットとボールが減る様子がないんです。
子どもたちが楽しそうにテニスをして遊んでいるのをよく見ますが、その後はお行儀よくきちっと戻っています。
大人が子供を大事にするから、子供も大人の期待にこたえるという、よい相乗効果が生まれています。
●ある夏、日比谷線の母娘
数年前の夏、日比谷線の中である親子と出会いました。
娘さんは3歳くらい、とても利発そうでペラペラとおしゃべりが止まりません。
お母さんはその声がうるさくないか気が気でないようで、「静かにしようね」「もうちょっと小さい声でね」としきりに娘さんを注意します。
しかしその声はどう客観的に聞いても大きい声ではないのです。
もしかしたらお母さんは以前に電車の中でいやな思いをしたのかもしれません。
なんだかお母さんにも娘さんにも気の毒になって、つい声をかけました。
「プリキュアのスタンプラリーやってるの?」
彼女がスタンプラリーの台紙を持っていたので、そう声をかけました。
夏休みの東京メトロの名物イベント、スタンプラリーです。
「そうだよ、次はね、○○駅で降りるんだよ!」と元気に答えてくれました。
私に小学生の娘がいること、娘もプリキュアが大好きだったことを話し、しばらくプリキュアの誰が好きだとか、どういう技がカッコいいとか、プリキュア話をして数駅間過ごしました。
お母さんはまだ「うるさくてすみません。。。」と小さくなっているので、
「ぜーんぜんうるさくないよ、おねえちゃんがすごくおりこうさんでびっくりしちゃった!こんなおりこうさんなかなかいないよ〜」と伝えると、お母さんは涙ぐんで笑顔になりました。
彼女たちが降りる駅で、「久しぶりにプリキュアの話ができて楽しかった、ありがとね、気をつけてね」と別れました。
ドアが閉まる瞬間、ふと見ると、その母娘はホームに立って私に手を振っています。
電車が発車し、姿が見えなくなるまでずっと手を振ってくれていました。
●泣き声を聞くと振り返ってしまう
子供を過剰にうるさがったり、過剰に気を遣ったり、お互いにもうやめませんか。
たかが数駅電車に乗るだけであんなにビクビクさせてしまうなんて、おかしいですよ。
言って聞く年齢ならまだしも、言葉が通じない子にはどうしろっていうねん。
みんな生きていれば、必ず誰かに迷惑かけるんだから。お互い様なんだから。
むしろ、私にとって子供の声は、迷惑どころか「浴びたい」ものです。
うちの子が乳幼児期を過ぎて早10数年、あの乳幼児独特のかわいらしい声が懐かしくて。
猫の鳴き声のような「ふんにゃあああ」という泣き声、鈴を振るような透明感のある笑い声、舌っ足らずのたどたどしいおしゃべり、すべてがかわいすぎる。
小さきものよ、なんて愛らしいの。
電車の中でそういう声がするとつい「どこどこ?!」と振り返ってしまうのですが、どうやらそれを「世間の冷たい目」と誤解されるようで、「ほら、みんなの迷惑だから静かにして!」とご両親を余計に恐縮させてしまうこともしばしば。
違うんですよ、お顔が見たかっただけなの。
電車の中で子供の声に振り返るおばちゃんはほぼ、子供が見たいだけの人ですから(言い切った)、どうか気にしないでくださいね。
●もう子供が犠牲になる事件・事故は見たくない
どうしてこの話を今回書かずにいられなかったかというと、小さい子供をお持ちのお父さんお母さんが、社会から拒絶されているように感じてしまっていないかということが気になったからです。
子供を連れて出かければ、ベビーカーに嫌な顔をされ、泣き声に舌打ちされ、飲食店では迷惑にならないよう流し込むように食事をし、子供の顔に傷でもあれば虐待を疑われるんじゃないかと心配し、そして暴れ、ぐずり、泣き、はては寝てしまった子供を抱えてぐったりと帰るのです。
もう書いてるだけで泣けてくるよ。。。
そんな大変な思いをするのが分かっていても、しない訳にはいかないからえいやっと外出しているのに、ここ最近起こった複数の、子供を巻き込む事件・事故は、ようやく振り絞った外出へのやる気を奪うのに十分なものだったんじゃないかと思います。
だからこそ伝えたい。
私たちはあなたのお子さんが大好きですよと。
どうかその可愛い顔を見せて、可愛い声を聞かせてくださいと。
今日は、あなたを応援しているよ、ってことだけ覚えて帰ってください。
ルーペちゃんでした。
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