根岸通信【19】プレミアム海苔の殿堂・ぬま田海苔
こんにちは、ルーペちゃんです。
前回浅草に焼肉を食べに行った話を書きましたが、
今回は浅草から駐車場まで帰る途中で見つけた海苔屋さんのお話です。
●「ここ何屋さん?」
浅草から合羽橋向かって歩き、合羽橋道具街の通りに出るちょっと手前、そこだけポッと明るく照らされたような店舗が目をひきました。
白を基調としたスタイリッシュなお店。
おしゃれ雑貨か最先端ブランドの路面店のようです。
中を覗いてみるとなんと海苔の専門店でした■ ■ ■←海苔を表現。
半被を着たお母さんと息子さんという雰囲気のお二人が、「試食できますのでどうぞ〜」と招いてくれます。
では遠慮なく、と入ってみると、やっぱりとてもオシャレ。
海苔専門店とはとても想像できませんでした。
このぬま田海苔さんはもともとは川崎の、地元の海で採れた海苔を商う商店でした。
川崎の海が工業化により漁場を閉じた後、有明海の海苔を専門に扱うようになったのです。
ただ、その扱い方が大変おもしろく、今の時代に合っていると感じました。
というのは、「有明海苔」の、それぞれの漁場ごとの海苔を商品にしているのです。
お店の壁に飾られている地図。
まるで工業団地の区分けのようです。
漁場ごとの特徴や採れる時期によって海苔の味は驚くほど違うそう。
そのため、ぬま田海苔さんでは漁場の名前と海苔の等級をそのまま商品名にしています。
たとえば、「鹿島第二初◯1」という海苔。
「鹿島第二」が漁場名で、「初」は初摘みの意、「◯」は海苔に小さい穴が空いていることを指します。
これはもともと海苔の業者さんの間で使われる等級名だそうです。
まるでワインのように畑ごとの違いを楽しむ、嗜好品のような海苔です。
ただ、ご店主としては、もったいぶって食べてほしいわけではなく、海苔の美味しさを改めて感じていただくことで、海苔をもっと生活に取り入れてほしい、という意図をお持ちだそうです。
●漁場ごとに違う、有明海苔の深さ
では、とそれぞれの海苔の味見をさせていただきました。
全型1枚を8切にした、味見には十分すぎる大きさで提供してくれます。
まず、圧倒されるのが馥郁とした薫り。
いわゆる磯臭い、とは全く違う、豊かな海の薫り。
それぞれ商品ごとに薫りも特徴があり、香ばしい薫りだったり、野菜っぽい薫りだったり、
魚介類でとった出汁を染み込ませたようなシーフードっぽい薫りのものもあります。
味は薫りほど違いは感じませんが、歯ごたえや口の中での溶け方はそれぞれ違います。
今まで「海苔」は「海苔」でしかなく、違いといえば「美味しい海苔」「美味しくない海苔」くらいの認識しかありませんでしたが、私が知らないだけで、海苔の世界にはこんなに豊かな情景が広がっていたのでした。
結局お店に並んでいる6種類の海苔を全て味見させていただき、一枚一枚、それぞれの違いを楽しみました。
そして面白かったのが、家族3人、気に入った海苔がそれぞれ違ったことです。
私が一番気に入ったのが、「網田混1」(10枚2,000円)というもの。
“青混ぜ”と呼ばれる青のりが混ざった海苔で、収穫の時期や漁場が限られるため仕入れが難しいとても希少な海苔です。
よーく見ると、青のりがポツポツと混ざっているのがわかります。
食べると青のりの薫りがふわっと鼻に抜け、口溶けが早くさっぱりした海苔です。
娘が気に入った「有明旬◯1」(10枚2,000円)はお買い上げ。
肉厚で深い薫りとサクッとした歯切れの良さで、口に入れるととろっとした口溶け。
全体に濃厚な印象です。
そして「芦刈壱◯1」(5枚2,000円)も購入。
いいお値段ではありますが、食べてみるとたしかにその価値があると思える海苔です。
有明海最高品質と言われるこの海苔、薫りと歯切れの良さが抜群です。
ちょっといい日本酒があれば、この海苔一枚でかなり飲めそうです。
購入すると、おまけとしてその場で焼いてくれた海苔を一枚いただけます。
海苔焼き器までオシャレです。
焼き立てパリパリの海苔をもぐもぐと食べながら、合羽橋をぶらぶらし、家路につきました。
●おにぎりがごちそうに!
家に帰って早速作ってみたのはやはりおにぎり。
パンフレットに載っていたおにぎりが美味しそうだったのでちょっと真似してみました。
今年の新米で握ったご飯にしらすとしそを載っけたものを海苔で巻いて、最後にすだちを一絞り。
娘が「最後の晩餐にこれを食べたい」というくらい、最高級に褒めてくれました。
それにしても、海苔を食べる度に「これで50円」「これで100円」とつい計算してしまうのが困りものです。
だからそういうことじゃないんだってば!
ぬま田海苔 合羽橋本店
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-7-2
[営業日]月 / 火 / 木 / 土 / 日(11:00〜17:00)
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