Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

ペコちゃん、アイスバケツチャレンジを知って思うこと。

こんにちは。ツガイで飼っていたカブトムシにあげようと昆虫ゼリーの蓋を開けるのを手こずってる隙にメス(カブコちゃん)が逃げてしまい、大ショックを受けているペコちゃんです。
ゼリーの蓋を開けてから、虫かごの蓋を開けたらよかった・・・しかし、後悔先に立たず・・・卵、もう産んでるはず!とこどもたちと自分に言い聞かせる日々です。

ちなみに玄関前にあるカゴの上にゼリー置いておきカブコちゃんの帰宅を待ったのですが、もちろん帰ってくるはずもなくアリが群がっていまし た・・・あぁキャンプ場で出会ったのに・・・

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●アイスバケツチャレンジとは

さて最近氷水を頭からかぶる自分の映像をSNSにシェアする「アイスバケツチャレンジ」が話題になっていますね。治療法の確立されていない難病ALS(筋萎 縮性側索硬化症)の研究を支援することを目的とし、参加者は寄付をするか氷水を頭からかぶるかを選び(またはその両方を選択することも可能)、次の挑戦者を指名するというものです。

●難病とは

難病対策要綱において難病とは、

(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病。
(2)経過が 慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病。

と定義されています。その時代の医療水準や社会的事情によって変化しますが、現在日本では56疾患が難病と認定されています。

私事でありますが、先日一周忌を迎えたペコちゃん母も長い年月難病と向かい合ってきました。
パーキンソン病という、神経伝達に必要なドーパミンが減少することによって、手足の震えや著しい運動能力の低下が起こる病気です。すべての動作がゆっくりになり、歩行困難(小股ですり足になり転倒しやすい。前になかなか足が出ない。)筋固縮により無表情となり、字を書くことなども困難になります。

母の発病前、私がパーキンソン病というものを知ったのはボクシング元ヘビー級王者のモハメド・アリ氏とハリウッド俳優のマイケル・ J・フォックス氏の存在でした。

モハメド・アリ氏は1996年に開催されたアトランタオリンピックの開会式で聖火台の点火ランナーを務められ、震える手で聖火を点灯しました。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」への出演でも知られるマイケル・J・フォックス氏は、自 叙伝「ラッキーマン」を刊行され多くのメディアでも取り上げられました。

そのときはまだまだ未知の病でありましたが、母の発病を知った際に少なからずの認識があったお陰でパニックにはなりませんでした。疾患を持つ方々が精神的にそれを乗り越え、世間の目に臆することなく姿を見せてくれることは、同じ疾患を抱える人々に勇気を与え、周りの人たちへその疾患の存在を伝える大きな力になります。

賛否両論があると思いますが、今回の「アイスバケツチャレンジ」は時代の流れに乗 り、ALSの認知度向上に大きく貢献しています。多く集まっている寄付金 によってALS治癒治療の研究が進むことを願ってやみません。

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●難病を抱える人たちに必要なこと。

新薬の出現は難 病を抱える方々や支える家族にとって切なる願い。ただ、母と生活し、様子を身近でみていたペコちゃん思うことは新薬の登場以上に、現状を受け入れら れる環境を整えること、支えてくれるものの存在の大きさです。

10年近く病に苦しんだ母ですが、自分の病を受け入れられたのは亡くなる数ヶ月前ほど前からだった のでは、と思います。(周りの視線を感じ、人に会うことを長い期間避けていました。)母の友人で若年性パーキンソン病の女性は、受け入れるまで15年かかったと言います。

一緒に生活し支えていく家族にとって、当人の不自由さ、身体的精神的な苦痛は残念ながら実際に感じることはできません。想像することはできても、実際はその想像を遥かに超えるつらさであると思います。妻が、夫が、親が難病を持つことに戸惑い、受け入れられることは、本人と同じようにむずかしくどう 接していけばよいか、悩み理解に苦しむことも多い。

パーキンソン病に関してですが、症状に個人差があり、まだ解明されていないことが多いです。専門の医師でも、日常生活のことなど知らないことが多いと感じています。

・病を理解し、治療以外の日常生活での困難を理解し支え、話しを聞いてくれる専門家。
・精神的に病を乗り越え外出する人たちへの周囲の理解。

こういう環境ができて欲しいと思います。

病を抱えて孤独を感じる中これからを生きていくためには、強い気持ちが必要です。それを少しでも支えられるものが、難病を生きる人たちやその家族のために増えていってほしい、そして直接関わりのない人たちにも難病の存在を認識してもらえたら、きっと生きやすくなる。
アイスバケツチャレンジというムーブメントを知って改めて思ったペコちゃんでした。

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本文とは関係ありませんが、かわいい小玉スイカ。プランターで育てています。
もうすぐ秋ですね・・・