Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

少しもハラ痛くないわ・食中毒対策【その1】

こんにちは、明日からいよいよ子供の夏休みが始まり恐怖におののくルーペちゃんです。先日行われたママ友ランチ会でも「どうしよう、どうする?これから。。。」「どんよりするね。。。」と愛する子どもたちと長期間過ごせる喜びに満ち溢れた発言が飛び交っておりました(虚)。ルーペちゃんも今死に物狂いで、夏休みの子供向けイベントを検索して申し込みしまくっています。とにかく連れ出さないとふたりっきりとかもう無理っす。

●速報出ました!

ニュースでも選挙でも地震でもありません、速報と言ったらあれでしょう、「厚生労働省の食中毒事件一覧速報」ですよ。何月何日にどの都道府県でどんなものを食べた人がどういう中毒になったか、一覧表で公表されます。今回の速報には今年の7月1日までの通報が掲載されています。

ざっと見た感じ、原因が特定されているのは3分の1くらい、あとはだいたい「不明」や「◯月◯日に食べたもの」など、食品が特定されていません。まあ自分のことを考えてみても、1日のうちに様々な種類の様々なものを口に入れますから、なかなかコレだ!って言うのは難しいかもしれません。

●食中毒発生状況データから読めること

平成25年分の食中毒発生状況データはもっと詳細です。食卓を預かる者として、このデータを眺めるだけで勉強になります。
「なるほど秋になるとキノコによる事件が増えるのね」とか「冬に魚介類による食中毒が増えるのは宴会やごちそうを食べる機会が多いからかもね」とか「アニサキス(魚介に付着する寄生虫)の食中毒はほぼ1年中起こるのね」など色々なことを発見し、時を忘れます。ホントに。お試しください。

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美味しいものは何も考えずにパクパク食べたいけどね。。。

食中毒は夏場に多いと考えてしまいがちですが、月別発生状況を見ると7月8月よりも寒い時期の方がほぼダブルスコアの人数です。それは原因物質の違いにあります。

寒い時期は圧倒的にノロウイルスによる食中毒が多く起こります。ピークは2月です。冬場活躍したウイルスがそろそろ減ってきたかなと思うと、陽気に誘われるように増えてくるのが細菌類による食中毒。
5月まではウイルスが原因物質の食中毒患者が細菌のそれを上回っているのですが、6月になるとウイルス性食中毒274人に対し、細菌は905人と逆転します。再びウイルスが逆転するのは10月です。
つまり、6月から9月までの暑い時期には細菌類による食中毒が多く発生しているのです。

●夏場に細菌性食中毒が起こるワケ

食中毒を起こす細菌は高温多湿の環境を好み、夏場に活発に増殖を繰り返すから、という細菌側の事情がまずあります。あとは、暑い時期には抵抗力が落ちるという人間側の事情もあります。
食欲が低下し、暑さで体力が落ち、睡眠が十分とれない真夏は特にそうです。特にここ数年の猛暑は「生きてるだけで精一杯」という方も多いでしょう。細菌につけこまれるスキがありすぎるくらいです。

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パセリには食中毒を予防する効果があります。

●食品についているおもな菌

そもそも私たちが購入する食品には様々な菌が最初からついています。もちろん食べても何の影響もない程度の量ですが、それが時間の経過や温度・湿度の上昇で増殖し、食中毒を起こすのです。
食品についている主な菌は以下のとおり。

・肉類→カンピロバクター、O157
・魚介類→腸炎ビブリオ
・生卵→サルモネラ
・野菜→ウェルシュ菌
・おにぎり、弁当→黄色ブドウ球菌

●カンピロバクター

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こんなにカワイイのに

細菌類の中で一番患者数が多いのがカンピロバクターによる食中毒です。カンピロバクターは動物の消化管の中に存在しており、牛や豚でも発見されますが一番多いのは鶏です。平成26年度の速報を見ても、発生原因で「鶏」とあるものが際立って目につきます。東京都の調査では流通している鶏肉の4割から6割にカンピロバクターが付着していたそうです。つまりもう「付着していること前提」で考えるべきなのでしょう。

カンピロバクターの特徴として少ない菌で発症することが知られており、数百個の菌で発症した例があるそうです。(といっても数えることもできないので何の目安にもならないかもしれませんが。。。)

カンピロバクターは加熱に弱いので加熱調理すれば死滅して増殖することはありません。カンピロバクターで食中毒を起こす場合は加熱が不十分か、調理前の状態で他の食品や調理器具に付着したことによるものです。

●カンピロバクターの思い出

ルーペちゃんが強烈に覚えているのが、会社員時代、隣の部の部員が2,3人しか出社せず、ほぼ空っぽになった日がありました。というのは前夜、部の懇親会で焼き鳥屋に行き、鶏わさを食べた人たちは全員食中毒でやられたとのこと。カンピロバクターの潜伏期間は1日から7日と、他の食中毒菌に比べて長いのですが、翌日に全員発症とはよっぽど大量に摂取したのでしょうか。

●ちゃんと対策すれば大丈夫

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怖がらせるようなことばかり言ってしまいましたが、ちゃんと菌の特性を知って対策すればこの夏もちゃんと乗り切れます。

食中毒の三原則「つけない・増やさない・やっつける」を合言葉に、次回は具体的な対策方法をご紹介します。

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