Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

あなたにもある、生理的盲点?緑内障?(2)

こんにちは、洗濯ハンガーを7年ぶりに新調し、どこに何を干そうか

考えながらやっていたら普段の3倍の時間がかかったルーペちゃんです。

ベストポジションが決まるまで、試行錯誤を重ねたいと思います。

「眼科検診のすすめ?緑内障(1)?」はこちら

●はじめに

まずルーペちゃんの病状についてどの程度進行したものかをご説明しておきます。

私は「緑内障が進行する疑いあり」という程度の緑内障です。

先生によっては緑内障とも言わず「視神経の凹みが見られるが顕著ではない」

程度のものです。

今年検査をしてくれた先生は「まあ2年先でもいいでしょう」とのことでした。

でも来年も行きますけどね!だって進んでたら怖いもの!

次にどういう経緯で緑内障と診断されたか。

10年前、ルーペちゃんはひたすら細かい字のデータを分析して

膨大な量のエクセルやパワポ資料を作る、という仕事をしていました。

当時はブルーライト低減メガネなど当然なく、PC画面を凝視する毎日。

ある日めまいと頭痛とともに、片目から涙があふれて止まらなくなりました。

眼精疲労のひどいものだろうと思い、駆け込んだ眼科で

「緑内障の・・・」という診断が下ったのです。

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ショックでした。

30そこそこで、「将来目が見えなくなるかもしれない病気」にかかったことが。

もともとルーペちゃんは左右の視力が2.0と0.08という極端なガチャ目でした。

目のことなので親にも随分心配されていましたが、

日常生活には何ら不便は無かったので、特に気をつけることもなく過ごしていたら

突然「緑内障」という診断ですから、そこで腹をくくって

「確実に年をとっていく自分」と向き合い始めることにしたのでした。

●検査では何をするか

ではいよいよ検査内容について。

緑内障の場合、眼科では次の検査を受けます。

(1)視力検査(2)眼圧検査(3)眼底検査(4)視野検査

視力は「上、右、左」と指し示す、普通の健康診断と同じものです。

眼圧検査とは眼球の圧力を測る検査です。

圧力が高すぎると視神経を圧迫して障害を起こすからです。

点眼麻酔をして直接角膜に触れて眼圧を測る方法もありますが、

私のように軽度の緑内障だと空気眼圧計で測ることがほとんどです。

空気をしゅっと角膜に吹きつけ、そのときの角膜の歪み度を機械で測ります。

痛みは全くなく、ただただ、目が乾くのと、ちょっとびっくりするだけです。

眼底検査は「はいこの緑色の光を見ていてくださいねー」

と言われている間に終わってしまいます。

ツライのは「まばたき禁止」のプレッシャーに耐えることくらいでしょうか。

●視野検査

緑内障検査のメインイベントは視野検査です。

病院によっては個室に連れて行かれ、極小のプラネタリウムのような

半球形の機械の前に座らされます。

そしてアゴの位置を固定され、顔と目を動かさないよう厳命されます。

半球の奥に小さく見える赤い光から目をそらさず、眼球も動かさないよう

再度念をおされた後、看護師さんは外に出ます。

中央の赤い光をじーっと見ていると目の端にチラチラ白い光が見えます。

見えたら手元のボタンを押す。その繰り返し。

白い光は位置や明るさを変えてパッパッとあちこちに出没します。

人間の反応としてなにか動くものが見えるとつい目で追ってしまいたくなりますが、

それをしないよう常に意識しながら検査します。

「真ん中見て真ん中見て・・・」とずっと考えていると、ぼーっとして

ボタンを押すことを忘れてしまうので気をつけて。

実際のところ、「これは見えてるって言えるのかな・・・?」くらいの

判断に迷うものもありますし、迷った末にすっかりタイミングを逃して

しまうこともあります。

ただ、機械というのはよくできたもので、そんなふうに自信なく迷いながら

検査を受けても、ちゃんと結果は現れるのです。

どうして「ちゃんと」と言えるかというと、検査結果に盲点が現れているからです。

どんなに健康な人でも、必ず視野の中に見えていない場所があります。

それが「生理的盲点」です。

視野検査をすると、結果画像にその生理的盲点の場所がくっきりと黒く現れるので

最初は驚きました。

自分の目に見えていない場所があるなんて、ほとんどの人にとって信じがたい

ことだと思いますが、誰でもそうなので安心してください。

この検査で盲点が複数あったり、盲点の範囲が広かったりすると「視野欠損」

が見つけられるわけです。

逆に盲点が現れなければ目を動かしていたか、または見えないのに適当に

ボタンを押していたということですので、看護師さんにみっちり叱られた挙句、

再検査ということになってしまいます。

視野検査の注意点を申し上げるとすれば、

「アゴの位置の調整のとき、妥協してはいけない」ですかね。

実は片目で5分以上、両目で10分以上かかります。

ルーペちゃんの場合、途中休憩を挟んで6分半ずつ、計15分ほどでした。

長丁場なので変な体勢だと腰が痛くなりますから、アゴ位置はしつこいくらい

自己主張して調整してもらい、納得のゆく位置で受けましょう。

●時間・費用

視野検査には時間がかかりますが、結果はすぐ分かりますので

全体でそれほど時間がかかるものではないと思います。

今年のルーペちゃんの場合、病院で受付して外に出るまで30分きっかりでした。

予約ができる病院なら予約したほうが確実ですね。

なお、お会計は5,000円弱(被扶養者、初診の場合)でした。

自費診療の場合は7,500?10,000円くらいだそうです。

時間は短く負担も小さい、手軽に受けられる検査なのにその安心感は

絶大です。特に40歳以上の方にはぜひおすすめします。

参考文献・サイト

「正常眼圧緑内障」井上治郎 著 保険同人社

「白内障・緑内障 ここまで進んだ最新治療」山口達夫 著 双葉社

日本眼科学会ホームページ