Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

いまさらだけど、デング熱と蚊について
知っておきたいことをまとめてみた

こんにちは、せっかくお高いホワイトコーンを買ったのに冷蔵庫に4日も入れっぱなしにしておいたせいで糖分が分解されてちっとも甘くなかったルーペちゃんです。こんなことなら普通のスイートコーンでもよかったのに。。。くうう。

以前インスタントスープのお仕事をしたときに勉強したのですが、とうもろこしは収穫した瞬間から自分のもつ糖分を分解し始めます。なのでメーカーでは朝コーンを収穫して工場に運ぶまでを、1時間以内で行う決まりがあるそうです。買ってから4日も置いておいたとうもろこしなんて、論外ですよ論外。

●夏が終わりそうなのに話題のアイツ

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今日の報道では、これまでデング熱に感染した人は96人。突如上陸したこの感染症、東京きっての人口過密地帯から発生したというのも人々の耳目を集める要素となりました。

とうとうルーペちゃんの自宅と隣接する区でも患者がみつかり、そのせいか今日行った近所のドラッグストアでは虫除けスプレーの棚が空っぽでした。
普段だったら「そろそろ蚊も少なくなってきたねえ~」なんて秋を感じるゴキゲンな会話のひとつでも出てくる季節だというのに、顔を合わせると「蚊怖いね~」と恐れおののく日々。

ちょっと待てと。それはちょっと人間様としていかがなものかと。生態系の頂点に君臨する高い知能を持つ人間様が数ミリ足らずの蚊ごときに翻弄されてどうする、と。
人間様のプライドをかけて、蚊を、そしてデング熱を制圧してやろうじゃありませんか。

●ヒトスジシマカ

今回日本でデング熱を媒介しているのは秋田県および岩手県以南に広く生息する「ヒトスジシマカ」、いわゆるヤブ蚊と呼ばれるやつ。海外で媒介するのは台湾以南に生息する「ネッタイシマカ」です。
そっかー、ひとつ解決策がわかったぞ。冬までみんなで北海道へ逃げよう!゚+.(?? ω?? )゚+.

はい、まじめにやります。

ヒトスジシマカの活動時間は日中。発生場所の多くは「小さい水たまり」です。
空き缶、タイヤを利用した遊具、あまどい、植木鉢の皿などなど雨水が溜まるところには遠慮無く出てきます。家の回りで心当たりのある場所があったら、すぐ水を捨ててくださいね。

ちなみに夜寝ている耳元に「ンフィーーーーン」と現れるのはアカイエカで、活動時間は夜から明け方。この蚊はデング熱を媒介しません。

●蚊を寄せつけない

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ヒトスジシマカは通常10月下旬頃まで活動します。なのでそれまで北海道にいれば安心で(ボカッ)。。。えっと、気をつけましょう。

これだけ虫除け剤が品薄になると、「手に入るならなんでもいい!」とばかりに見つけたものを購入してしまいがちですが、お子さんに使う場合は特に注意が必要です。というのは、虫除け剤の成分である「ディート」はまれに神経毒や皮膚炎を起こすことがあるからです。

厚生労働省の検討会で決まった小児に対するディート含有虫よけ剤使用上の注意によると、
・6ヶ月未満の乳児は使用禁止
・6ヶ月以上2歳未満は1日1回
・2歳以上12歳未満は1日1~3回
となっています。これは日本製の製品の注意書きには必ず書かれているのでチェックしてみてください。

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またディートの濃度も必ず明記されているはずなので、子供に使用する場合はなるべく濃度の薄いもの(5%程度)を選んで使うのが安心です。
うちにあった虫除けジェルはディート濃度5%。それでもつけると長い時間薬品臭さでケホっとなります。子供はもっとむせています。

2013年6月のルーペちゃんの記事「アロマオイルで虫除けスプレーを作ろうの中でディートの話や、アロマオイルを使った虫除けスプレーの作り方を紹介しているので、ぜひお読みください。(過去の自分に助けられるパターン)

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●それでもなんだか体があやしいときは(,, ゚Д゚)

デング熱はインフルエンザの症状によく似ているそうです。突然の高熱、頭痛、筋肉の痛み、皮膚の発疹などが起こります。人によってすべての症状が出るわけではないので、「あれ、なんか突然具合悪くなったな」というときは病院に行ってください。

病院ではデング熱の検査キットで血液検査をし、判定します。
ただし、残念ながらデング熱でした、という場合でも、デング熱を治す薬は今のところありません。体の痛みや熱を緩和したり、脱水症状や下痢症状があったらそれに対する治療はしてくれますが対症療法なので、しばらくおとなしく寝て治すしかありません。

●デング熱が流行している海外へ行く人は

少し前まで中国の広州と台湾に住んでいたルーペちゃんの姉が言っていたことには、

日本からたくさん虫除けスプレーとか虫さされの薬を持っていったんだけど、こっちの蚊には全然効かないんだよね。それで先輩駐在員の奥さんに『現地の虫には現地の薬よ!』って言われて試しに買ったらものすごく効くの。

これは体感としてだけでなく、実際にそうなのです。海外では蚊の種類も違うし蚊の薬に対する耐性も違う。現地の蚊に適切なディート濃度や成分というものがあるので、日本から重い思いをして持って行ってもムダだった、ということになるおそれも。

これから暑い国へ行く方は、虫除けは現地で調達されることをおすすめします。その際、たとえばホテルスタッフや現地の友人に「あなたが使っているものを教えて」と聞いたものを買うとより安心です。