Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

大山千枚田で稲刈りしてきた

こんにちは、子供の学校が始まりひとりの時間の静かさをかみしめているルーペちゃんです。小学生のお母さんたち、お互いおつかれさまでしたっ!

●大山千枚田

吹く風もどことなく秋めいてきたこの頃、豊かな秋の実りが私たちの元に届くのももうすぐ。先日ルーペちゃんはひと足先に秋の実りを収穫しに行ってきました。

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千葉県の鴨川市には、全国的にも有名な「大山千枚田」があります。
「日本の棚田100選」に選ばれ、千葉県の指定名勝でもあるこちらの棚田は、東京から一番近い棚田ということで、テレビや雑誌などでしばしば目にする場所です。
すり鉢状の急斜面にタイルを貼り付けたように小さい田んぼが居並ぶ様は、江戸時代以前から存在するこの棚田が人間の知恵と技術の歴史とともにあったことを物語っています。

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また、農業の機械化を拒む地形である棚田は、農業従事者の高齢化に伴い荒廃しがちであり、実際この千枚田もその運命にありました。しかし、有志により保存会が設立され、棚田オーナー制度やトラスト制度を開始、多くのイベントを行い保存に努めました。現在は鴨川市より委託を受ける形でNPO法人大山千枚田保存会が各種事業の運営にあたっています。

ルーペちゃんの娘の同級生ご家族がこの棚田オーナーであり、今回ありがたくも「稲刈りしない?」と誘ってくださったのでした。

●刈る前の準備

父の畑の手伝いで畑仕事には多少慣れているものの、田んぼ関係は(小学生の体験学習以来)ほぼ初めての経験。おそるおそるご一緒しました。ずっと見てみたかった棚田の風景は、思っていたよりもずっと小さく、ずっと急斜面。

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早く刈りたーい、と思ったものの、「まずこれをやらなくちゃ」と渡されたのが稲わら。これを撚(よ)ってわらひもを作ります。何のためかというと、刈り取った稲をこれで束ねて吊るし、乾燥させるためです。(刈るとか撚るとか普段ゼッタイ使わない単語が出てくるなぁ)

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3本ずつ2つの束にして、それを両手の平でよりよりこすり合わせると、一本のねじりひもができる。。。言葉でいうとピンときませんが、日本人ならなんとなく勘でできてしまうものらしいです。実際老若男女問わずこの作業は難なくできていたように見受けられましたが、海外からの参加者はこの「撚る」作業に苦戦していました。

●オーナー制度について

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ちなみに友人の田んぼは100平米。料金は1年間3万円。田植えや草刈り、稲刈りなど含めて年7回ほど招集されるそうです。農業指導も普段の田んぼの面倒も全部おまかせで、面積に応じて収穫したお米を分配してもらい、これで3万円は安すぎる!というのが彼女の感想。
棚田オーナーを3年続けているという事実に、満足度がうかがえます。

実際私も参加してみてかなりのいたれりつくせりぶりに驚きました。山の上にクラブハウスのような山小屋があって、そこで水も使えるし着替えもできる。お昼は予約制の有料ですがカレーの炊き出しまでしてくれました。農家の方々がアドバイザーとして各田んぼを回ってくださり、分からないことはその場ですぐ教えてくれます。棚田オーナーは毎年大人気で新規申し込みは抽選になる、というのも納得です。

●刈ってみる

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わらひもを準備して、いよいよ田んぼに向かいます。稲刈りの時間は奇跡的に晴れていたものの、それまでの長雨のせいで田んぼはぐちゅぐちゅにぬかるんでいました。「毎年カラッカラなんだけどねえ」と友人も驚き顔。

こんなこともあろうかと持参の長靴に履き替え、いよいよずぶりずぶりと田んぼの中に入ります。土と草の懐かしい匂い。重そうに頭を垂れる稲束を握り、鎌でザクリ。友人の手入れがいいのかよく切れる鎌で、思いのほかザックリと気持ちよく刈れます。こうなると楽しくなってきて、ざくりざくりと調子よく刈っていきます。

ちょっと腰が痛くなってきたので顔を上げ、ふと気づくと周囲の畝(うね)はすでに刈った稲で足の踏み場もありません。刈った稲を置く場所もなくなってしまいました。
そんな私たちの田んぼに指導の農家の方が目を留めひとこと。
「だーめだよぉ、最初にわらひもを敷いてから乗っけねえと。」
その方がおっしゃるには、まずひもを下に敷き、その上に刈った稲を4束ほど十字に交互に重ねていき、それを縛って束にして重ねる、とのこと。

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スペースの問題と作業の手間の問題を考えると、「刈る人+束ねる人」の2人1組で作業するのが良いそうです。なーるほど~。
稲刈りというと「刈る」ことばかり考えてしまいますが、刈った稲を束ねてまとめる裏方さん的な人が不可欠なのだと。

その後ルーペちゃんは裏方に回り、延々と稲を束ねていきました。が、束ねるだけといっても体力的には刈るのと同じくらいキツイです。屈みっぱなしだし束をぎゅっと締めるのに力がいるし。
稲束に埋もれた畝がだんだん姿を現してくる達成感だけを糧に作業に没頭すること2時間、大人4人がかりで100平米の田んぼの稲を刈り終わりました。

●作業終了

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最後は指導の農家の方にお願いして、田んぼに稲束を干す竿を立ててもらいます(調べたら「はざかけ」と言うそうです。地方によっても違うらしいですが)。それに稲束を引っ掛けていき、ぜんぶ干し終わったらオーナーの作業は終了。スタッフの方が作ってくれたカレーを食べて引き上げます。

普段使わない部分の筋肉が総動員されたとあって、当然体はクタクタで歩くのもしんどいのですが、単に運動したのと違う「田んぼで仕事したぞ感」、これが加わることでなんと心が満たされることか。私の中の「農耕民族のDNA」が目覚めていくのを感じました。
広辞苑には田んぼにまつわる普通名詞がこんなにあるそうです。やっぱり日本人にとって田んぼは特別なんですね。

NPO法人大山千枚田保存会

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