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ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

“オルソケラトロジー”は近視の娘を救うのか?

●結局メガネ作りました

こんにちは、ルーペちゃんです。
小5の娘は、3月からメガネをかけはじめました。

視力回復トレーニングで眼筋ストレッチ」なんていう記事にも書きましたが、トレーニングの甲斐なく娘の視力は下がり続け、もうメガネがないと黒板が見えないと強く訴えるので、観念して眼科を受診し、メガネを作りました。
高学年になってメガネをかけ始めた同級生も多く、そういえば自分自身も初めてメガネを作ってもらったのは小6のときだったなぁと思い出しました。
しばらくは「黒板がよく見える!」と嬉しそうに話していたものの、ある日びっくりすることが。

娘の学校から眼科検診の結果が返ってきました。
「眼科受診のおすすめ」という題のその手紙には、娘は矯正視力、つまりメガネをかけていても基準値を大きく下回る視力なので眼科を受診してください、とあるではありませんか。
2ヶ月前にメガネ作ったばかりだっていうのに!
レンズ買い直しか!いやその前に娘の目は大丈夫なのか?!

●近視のメカニズム

そもそも近視とはどういう状態なのでしょうか。

目に入ってきた光は角膜と水晶体を通り屈折して網膜に像が映し出されます。
目はピントを合わせるために水晶体の厚さを調節しています。

正視では近いところを見るときは点線のように水晶体がふくらみ網膜にピントが合います。

(この説明をするために十数年ぶりにパワポで図を作りました。ヘタはご勘弁。)

眼軸の長さが長すぎると、遠くを見たときに水晶体を薄くしても網膜上でピントが合わず、網膜の手前でピントが合ってしまいます。

このような近視を軸性近視と呼びます。大部分の子供の近視は軸性近視なのです。

眼軸の長さは成長に伴って伸びていくものですが、角膜・水晶体の屈折力は眼軸の長さが延びるとともに弱くなっていき、ちょうどいいバランスを取るようになっています。
眼軸の長さ、角膜や水晶体の屈折力のバランスが崩れると近視・遠視になるのです。
成長期に近視になる子供が多いのはそういうわけです。

●日常生活の不便


メガネは常にかけ続ける必要はありません。
昭和の子供である私が昔よく親に言われたのが「かけたりはずしたりすると度が進む」ということ。
実際はそのようなことはなく、必要なときにかけはずしすればよいとのこと。
それが原因で近視が進むことはないそうです。

とは言っても、実際に娘の目が悪くなって分かりましたが、メガネをかけたくなるシチュエーションは一日中あるのです。
まず道を歩いていても車が見えない、看板や標識、時計が見えない。
「あれ何て書いてあるの」と聞かれることもしばしば。
テレビが見えない。
バスの行き先表示が見えない。
一日中かけていたいという本人の気持ちは非常によくわかります。

じゃあコンタクトかというと、まだ管理ができなそうだし、角膜を傷つけるおそれもあり、手を出す気にはなりません。
お医者さんでも、小学生へコンタクトをすすめることはほとんどなく、早くても中学生からだそう。

●角膜に寝グセをつけるオルソケラトロジー

最近注目されている近視矯正技術に「オルソケラトロジー」というものがあります。
この技術自体は40年以上前から存在していましたが、矯正用のレンズを厚生労働省が2009年に高度管理医療機器として承認したことから一気に注目度が高まっています。
特に、子供の近視抑制・矯正に効果が高いと言われています。

就寝時にコンタクトレンズを着けると、特殊なカーブのコンタクトレンズが角膜のカーブを矯正します。
日中は裸眼で過ごせますが、コンタクト装着をやめると角膜も元に戻ります。
要は「角膜に寝グセをつける」ということですね。
子供の方が効果を得やすいのは、角膜が柔らかくクセがつきやすいからです。

毎日寝る時にコンタクトをつけて寝る、ということのハードルがどれほどのものかわかりませんが、「就寝時にマウスピースを付けて寝る」歯科矯正をあっさりと挫折した娘なので一抹の不安は残ります。

しかし現在日常生活で感じている不便のあれこれが寝ている間に解消されるとなれば、いやでも食指が動くというもの。
ちなみに費用は年間10〜20万程度
必要に応じてレンズを作り替える必要があり、都度費用が発生します。
安くはないけど思っていたほど高くもないです。
歯科矯正と同じくらいですね。

あまりにも不便が続くようであれば、オルソケラトロジーのことも検討に含めたいと思っています。
しかし、歯だの目だの、今の子はメンテナンスにお金がかかりますね〜。

参考:
・「近視のはなし」監修 帝京大学医学部 眼科学名誉教授 丸尾敏夫
「眼鏡っ子に朗報? 就寝中にコンタクトすれば近視改善」NIKKEIプラス1

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