神崎酒蔵まつりに行って来ました(後編)
こんにちは、ルーペちゃんです。
夏休みに入って早々、沖縄に行って来ました。
ここ1年ほどのドクタールーペブログを覚えて下さっている方は、「ずいぶん沖縄ばっかり行ってるな」と思われるでしょう。
去年も沖縄と石垣に行っていますから。
とにかく夫と娘が、太陽と水がないとダメな人たちなこともありますし、知り合いが移住したのも要因のひとつです。
娘がイルカと泳いだのが今回の旅のハイライトでした。
例によって次回以降。
●酒蔵見学に参加しました
真夏の沖縄から4ヶ月前のイベントに戻ります。
「神崎酒蔵まつりに行って来ました(前編)」
試飲でほろ酔いになったところで、隅の方に行列を発見しました。
聞くと酒蔵見学の行列だそう。
寺田本家さんは啓蒙・広報活動に熱心なので年間を通じてさまざまなイベントを催しているけれど、酒蔵を見られる機会はたしかそう多くなく、あったとしても予約が必要だったりします。
ふらっと訪れて酒蔵を見られる大チャンス、これはぜひに参加したい。
しぶる娘に頭を下げて、行列に並びました。
酒蔵の窓際に並ぶ働く道具たち。まるでディスプレイされているかのような完成された佇まい。
「だいたい30分くらいのはず」と言われた行列はなかなか進まず、結局1時間ちょっと並んでようやく私達の番になりました。
10人ほどのグループに1人の蔵人さんがツアーガイドとして案内してくれます。
私達のグループを担当なさったのは、ここに来て一年目の方。
以前は金沢の酒蔵で働いていたけれど、寺田本家の自然酒作りに興味があって、と。
プロの間でも興味津々の自然酒、一体どのような作り方をしているのでしょう。
(いい菌が住み着いているんだろうな〜という天井)
契約農家さんに無農薬米を作ってもらっているそうですが、寺田本家さんでも米作りを行います。
(毎年Facebookで田植えや草取りの募集をしています)
もちろん完全無農薬米。
それを井戸水で洗っています。
甑で一度に1200キロの米を蒸します。
これも他の酒蔵では全部機械でやりますが、こちらは人力。
「いちのて」と呼ばれる人がスコップで米を取り出します。
このハシゴが、非常によくできています。
底の方まで届くようにブランコみたいに持ち上がるのです。
「にのて」と呼ばれる人が蒸しあがったお米を手でほぐします。
「にのて」が一番熱くて大変なんだそうです。
●もやし
この蒸したお米を使って麹室で麹を育てます。
麹をつくる「もやし」と呼ばれる菌はカビの一種。
普通の酒蔵では「もやしやさん」から買うそうですが、寺田本家さんではそれも自分で作っています。
麹は3日かけて作るそうです。
温度が上がり過ぎないように表面積を広くします。
●生酛づくり
できあがった麹に蒸米と水を加えて酒母を育てます。
酵母を繁殖させる部屋は酒母室と呼ばれます。
3,40日かけて酒母を作ります。
このときも、人工的なものを何も加えず、蔵付きの酵母の働きに任せます。
驚きなのが、酒造りに大事な大事な菌を培養する部屋に、こんなにもたくさんの見学者を入れてくれること。
蔵に住み着く菌は、何百年もの間多種多様な菌と切磋琢磨して生き延びてきた生命力の強い菌です。
きっと人が心配しなくても、自分たちで環境を整えてあるべき姿になってゆくのでしょう。
お米をすりつぶす作業も人力です。
「もとすり唄」という唄を歌いながら作業します。
15番まで歌うと15分から20分。これで時間を計るそうです。
こちらに動画があります。
素晴らしい声で、聞いていると菌でなくても何かを呼び覚まされる気がします。
こんな唄を聴いて育った酵母がうまい酒にならないわけがない。
最後に木桶を見せてくれました。
もう作り手もほとんどいなくなってしまった大きな桶を、これから増やしていきたい、とのこと。
この志の高さに、周囲がどんどん引っ張られていくのだろうなぁと想像します。
買って帰ったお酒は、スクリューフタを開けるとプシュッと勢い良く空気が漏れました。
生きているお酒です。
今まで日本酒に対して持っていた偏見が一掃される、清廉さと深みがあります。
私はうまく表現できないので、興味を持った方はできれば飲んでみていただきたいです。
販売店一覧
酒粕もほのかに甘くて柔らかくて、今まで食べたことのない酒粕。
これを水に溶かして氷を浮かべただけでも贅沢な晩酌ができます(実際よくやってます)。
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