Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

ルーペちゃん、「患者さんのご家族」になる

こんにちは、伊藤歩と木村文乃福士蒼汰と中川大志がそれぞれ同一人物だと思っていたルーペちゃんです。
若い人の見分けがつかないのは老化の第一歩!気をつけないと!
と思っていたら、ネット上でもこの人達の見分けがつかないという声が多くてちょっとほっとしました。

●患者の家族になってみて

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Timepiece by Steve A Johnson

日々ありがたいことに自分や家族は健康な体で過ごせているし、双方の両親も年を取ってきたものの手助けの必要なく自分たちで生活ができているし、病気とは縁遠い生活を送ってきました。
しかし病気というものは、本当にある日突然やってくるものなのです。
夫の父親にがんが発覚し、入院手術という怒涛の流れをここ2ヶ月の間に経験し、
私も「患者さんのご家族」と呼ばれる立場になりました。

●突然のがん告知

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Sonntag (Sunday) by Thomas Leuthard

健康診断で肺に影が見つかった、という知らせを聞いてはいましたが、やはり人間は最悪のことは考えから外すものです。
読影の会社に勤め、病気や健康に関するブログを書いているルーペちゃんですらそうです。
その後精密検査をし、がん細胞であることが確定し、手術することになりました。
無意識に楽天的な考え方をしていたので(これが正常性バイアスです。ルーペちゃんの過去記事ご参照ください「アントキノジブンと正常性バイアス」)、がんという事態についていけず、明日手術という日に病院にお見舞いに行っても頭のどこかでは「嘘だろ?」という思いがありました。

夫の父という人は、この年代の人には珍しく180センチを超える長身で、ほどよい肉付きはあるものの肥満ではありません。
リタイア後は年に200日以上ゴルフに出かけ、毎朝の散歩を欠かさないなど十分な運動もしています。
社交的で明るい性格で、サラリーマンのリタイア後の生活としてはほぼ理想的と言えるものです。
その義父ががんなんて。。。

ルーペちゃんはこれまでこのブログで何度も「がんは誰にでも起こりうる病気」と書いてきましたが、今回義父のことがあって初めて、そのことを実感したように思います。
幸いがんのステージとしては軽い方で、今すぐに命に関わるものではないとのことでホッとしました。

●待合室の家族たち

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Elderly Couple by Fede Racchi

治療方針も決まり、義父は胸腔鏡手術で肺の一部を切除することになりました。
命に別状はないとはいっても、70過ぎて体を切ることへの不安はあります。
また、肺を切除した後今まで通りの生活ができるのかも不安なところ。

がんは「開けてみるまで分からない」ことも多く、手術前は十分な情報を与えられているとは言えません。
そんな中、義母をひとりで手術付き添いさせるのが忍びなかったので、手術当日は私も早朝から病院に向かい、義母と待合室で過ごしました。

義父の病院では、手術中の患者の家族は「待合室」で待機することになっていました(病院によっては患者の病室で待ったりもするようです)。
いずれにしても、手術中に急変があった場合など速やかに家族と連絡を取るための措置ですので、ひとりで待っているとおちついてトイレにも行けません
なので、手術の付き添いは2人以上いた方がいいのでしょうね。

待合室はドアを開けると共有スペースとなる大部屋で、ソファや雑誌、テーブルがあります。
共有スペースの壁際に小さい個室が3つ並んでいて、早いモノ勝ちで使うことができます。
ソファが長椅子なのは、長時間の手術の際、家族がちょっと横になれるようにとの配慮でしょう。

私たち(急遽義父の妹が福岡から駆けつけていたので)3人は最初は個室で待機していましたが、窓がなく目の前に壁が迫る部屋に気持ちが暗くなってしまい、途中から窓のある共有スペースで待機しました。
待合室は常に3~4組の家族がおり、早めに呼び出される人、途中から入る人などが、くるくる入れ替わっていました。

私たちは女3人ということもあり、会話が途切れることもなくずっとあれこれおしゃべりしていましたが、やはり時折義母は大きく「はーっ」と溜息をついたり、心配そうに時計を見つめたりしていました。
この長い時間ひとりで黙って待っていたらさぞ不安だったろうと思うと、やはり付き添いをしてよかったと思いました。
義母は義父の付き添いですが、私と叔母は義母の付き添いなのでした

●見つけてくれてありがとう

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day dream by Robert S. Donovan

結局予定より長引いて、手術室に入って6時間後、ようやく私たちを呼び出す待合室の電話が鳴りました。
手術室の手前の小部屋で執刀医の先生から説明を受け、肺の3分の1を切除したことを聞かされました。
そして切除した肺の実物が食品用のタッパーに入れられて登場・・・。

思ったより大きいと感想を言うと、「空気が入っているとこの3倍位の大きさになる」とのこと。
がんの部分は小さいピンポン球くらいの大きさに盛り上がっており、表面が不自然にひきつれていました。
こうやって取り出してみたら一目瞭然ですが、先生によると「これより小さいと検診で見つからなかった」そうです。

肺は血液が集まり常に動いている器官なので、栄養も豊富でがんの進行が早い器官です。
このように極めて初期の段階で発見できたことは義父にとって極めてラッキーだったと同時に、このわずかな異常を見つけてくれた読影医の先生ありがとうございます、とルーペちゃんは思うのです。

これがまさに私たちの会社が日々行っている仕事だ、と思うとますます誇らしく思います。
もしかして義父の異常を見つけてくれたのはドクタールーペのアキコ先生でないとも限りませんしね。
(今、私の中では、義父の読影をしてくれた先生のイメージはアキコ先生になっています)

幸い術後の経過も良好ですが、これからは次の段階、抗がん剤治療が始まります。
義父にはまだまだ家族の柱でいてくれなくては困るので、これからも家族として支えて行きたいと思います。

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