Dr.LOUPE Blog_

ドクタールーペスタッフ、ルーペちゃんがお届けする健康と生活にまつわるブログ

発達障害について考える~梨子ちゃんと梨子ちゃん娘の日々~

先日友人から『飲むから来て!』とのお誘いが。
ここ最近、家で飲むのが一番!と、ほとんど外にも行かずお誘いも断っていましたが、そんな様子を知った梨子ちゃん母が一言。
『いい加減にそろそろお誘いを受けなさい。お友達は大切に。』と。
その一言もあってその日は出掛けてみました。
それはそれは楽しくて、親の言うことは聞くべし、と思いました。
家がいい、なんていう梨子ちゃんよりもよっぽど若々しい梨子ちゃん母でした。

●発達障害とは

以前マスコミの前で自らが発達障害であることを打ち明けた栗原類さん。
今までそのことで苦しんでいたこと、それでも自分は自分だという強い気持ちを綴っていました。
今まで発達障害についてあまり分からない、関心がなかったけれど、栗原さんの告白によって発達障害を知るようになった方も少なくないのではないでしょうか。
なぜ今回、このテーマにしたかと言いますと。
梨子ちゃんの娘(以後梨娘と文中で呼ばせて頂きます)が実は発達障害の特性があり、今までの様子や母としての経験をお話しさせて頂き、少しでも発達障害について知って頂けたらという思いからなのです。

発達障害。
それは様々な症状や特性があり、大まかに分けて一般的に5種類ほどの障害の特性に分かれます。
発達障害って何だろう?(政府広報オンラインより)
梨娘はこの中の広汎性発達障害に属するアスペルガー症候群というカテゴリーに見られる特性があるのです。

●見られる特性~伝説の少女~

梨娘が産まれて今まで、本当にいろいろなことがありました。
小さい頃は特に大変なこともたくさん。
ただただ夢中で育ててきた梨子ちゃん。
梨娘の様子を、あれ、なんか違うかな?とは思いながらも、とにかくしっかり育てなくては!との思いからそんな特性にも気付いてあげられていませんでした。

まず、梨娘の様々なエピソードをお話しようと思います。
(もちろん個人個人特性の種類や表れ方も違いがありますので、こんな様子なんだ~と参考にして頂ければ。。。)
今となってはなるほどという、今となっては笑い話に出来る。。。
でも当時は悩んで泣いて奮闘していた梨子ちゃんのまさに『伝説の少女』の子育てをご紹介します。
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七五三、弟と。

保育園前

弟が産まれ自宅に戻ると弟の泣き声を聞き、それに反応してさらに大きな声でパニックを起こしたように泣く。
弟をあやし梨娘を泣き止ませる。。。まだまだ新米だった梨子ちゃん、さすがに疲れ果てる。

3歳児健診

市の保健センターにて行われる定期健診。
いざ健診会場へ、行く、が、その部屋に一歩も入らずセンター内を大冒険。
二階に行ったり玄関へ降りたり同じ月齢の子供たちを目にして、なんなんだうちの子は?!
笑顔でお母さん同士が話をしているのを横目に、あんなに笑えない!と追いかけるのに必死、健診を受けさせるのにただただ必死な恐怖の時間。

外食

たまには、と、ラーメン屋さんへ。
何食べようか、という前に、ひたすらキョロキョロし動き回る。
結局梨子ちゃん何も食べないまま外食終了。
それ以来外食に行かなくなる。

買い物

梨娘を連れての買い物。
子供が乗りたがるカートに絶対に乗らない。
手は絶対に繋がない、どこかに走って消えてしまう。
どうするか
梨娘を肩に抱え片手でカートを押しスーパーのどこに何があるかをすべて把握。
選ぶことなく手に取れるものを取ってレジへ。
レジでは店員さんの動きとお金の音に反応(おとなしかったのはここだけ)。

保育園入園式

入園式ボイコット。
部屋に入らず園庭でサッカー。

お散歩

入園後まもなくみんなで歩いてお散歩へ。
水が流れている道路の側溝へ落ちる。
後から保育園の園長先生から言われたこと。
入園式に出ないのもお散歩で側溝に落ちるのも、梨娘ちゃんが保育園始まって以来初めてですと。

運動会

みんなで楽しくお遊戯。
でも微動だにしない梨娘。
梨子ちゃんも固まる。

お迎え

大体同じ時間にお迎えに行くよう心掛けていた。
が、少しでも遅れるとパニック。
みんなが遊んでいても時計をずっとみて部屋の出口で立っている。

保育園最後のクリスマス発表会

オルガン担当になる。大塚愛の「さくらんぼ」。
かなり速いテンポで曲が決まったのも1週間前だったがすぐにマスター。
初めて先生たちに褒められる。

就学時健診

入学予定の小学校の教頭先生より突然電話、『問題がありますので再健診をしに学校へ来て下さい』と。
指示されたことが一切出来ておらず、話を聞けないのか聞かないのか聞いても理解できないのか判断出来ませんと言われる。

現在

「○○年○月○日○曜日○時○分頃私はどこで何をした」と、突然言う。
しかもでたらめではなく正確な出来事。
香りに敏感。納得しないと芳香剤もお香も使えない。
生活品のストック、シャンプー・リンス・トイレットペーパーその他諸々、何がいくつあるから次はいついつこれこれを何個買って欲しいと指示してくれる。
警察もののテレビ番組(○○警察24時みたいなやつ)や警察もののドラマが大好き。

政治に関心があり話し始めると止まらない。
勉強時に使うメモ、書きやすいからと梨子ちゃんが大量にルーズリーフを購入するも使わず、不要になった紙を小さく切ってメモにして使っている←段ボール一箱いっぱいになるほどの量、たまに部屋を覗くとひたすらびりびりと紙をやぶりメモを作っている。

最近覚えた料理を度々作りたがり、そればかり作っている。
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​家庭科部に少し参加出来ていた時に覚えたホットケーキ。

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​いかを捌くところから何度も作りかなり味に自信があるらしい『いかの肝焼き』。
などなど。

人はそれなりにこだわりがあったり特徴があったり、個性的なところはたくさんあると思うんです。
でも発達障害の人達はそれを理解されなかったり、本人自身がそのことに違和感を感じて苦しんでいます。

●現在の状況、そしてこれからすべきこと

今、梨子ちゃん親子の間で一番大変だと思うこと、それは学校にほとんど行けないこと。

梨娘の場合、特性があることだけが学校に行けない理由ではないのですが、大人数が苦手だったり、先生の話が理解できない時があったり、先生の一言でかなり落ち込んでしまったり(先生を嫌いなわけではないんです)。
思い込むとどんなに説明しても聞かない、聞けない。
そして最終的には話が通じなくなる。。。

カウンセリングの先生に言われたことは
「その特性がどんなものか、またその特性があると家族が理解することが一番大切」
そうすることで冷静にもなれるし本人を理解してあげられる一番の近道だということ。

人には向き不向き、得意不得意、少なからずあるんです。
それがちょっと特徴的で他人に理解されにくい。
でもそれを障害ではなく違いととらえて受け入れること。

こんな考えになる前にかなりの時間を要しました。
学校へ行きなさい、なんで行けないの、みんなは行ってるじゃない、普通は学校行くでしょ。。。
掛けてはいけない言葉を言ってしまったこともありました。
でも本人はもっともっとそう思っていて、でも行けない。。。
苦しめてしまったんだろうなと思います。

特別支援教育ジャーナリスト中谷美佐子さんのブログが私に勇気を与えます。
『障害ではなく違い』
『発達障害のある人達は広範囲に渡って不具合さや困難さがあり、本当に苦しんでいる、まずは私達が彼らの苦しみを理解することで穏やかな生活が始まる』

学校や社会、全てに理解してもらい受け入れてもらうにはまだまだ時間がかかるでしょう。
でもその前に、親として出来ること、しっかりとしていきたいと思っています。
家族でさえそういった状況を受け入れることは容易ではなく実際受け入れられない方々がたくさんいるそうです。
それでも発達障害のことを少しでも頭に置いておけば何かが起こった時しっかりと対応できるのだと思います。

見た目では全く分からない梨娘の特性。
それでも私なら彼女を見守り支えていけるんだ、私だから出来るんだ、
そんな強い思いでこれからも子育てに邁進しようと思う梨子ちゃんでした。

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