根岸通信③〜竹隆庵岡埜本店〜
こんにちは、ルーペちゃんです。
とある日の午後、ひとりで「さよならリッツパーティ」を催しました。
8月過ぎてもヤマザキナビスコ社製のリッツまだまだ売ってるじゃ〜ん、と油断していたら、すでにコストコでは総入れ替えになっていました。
もうウチにある在庫でお別れです。。。
●あの有名な”こごめ大福”がいつでも
事務所からの帰り道を歩いていて、突然大福が食べたくなりました。
ルーペちゃんの家の近所には和菓子を買えるお店がないので、鶯谷周辺か東京駅で買うしかありません。
いやいや、事務所から歩いてほんの2,3分で買える極上大福があったでしょう!
と思い出して方向転換、寄ってみました。
竹隆庵岡埜本店。以前ブログでもご紹介しました、大きな大きなこごめ大福で有名なお店です。
(「大福は春に食うべし」2013年4月10日)
事務所からは路地を出て柳通りを右に、1分くらい歩いた角にお店があります。
お茶を入れてから買いに行っても、冷める前に帰ってこられる距離なのです。
御影石の外壁がぴかぴかの、わりと新しい店構えです。
中も明るくてキレイで、老舗然とした雰囲気はありません。
初めてでもふらりと入りやすい感じです。
季節の和菓子もたくさんの種類があって目移りしますが、ここは初志貫徹、こごめ大福(税別230円)を草と白、1つずつ買いました。
以前書いたとおり、ここの大福は大きめのおにぎりくらいのずっしり感があります。
こんなに大きな大福食べられるかしら、と心配になりますが、食べてみるとペロリです。
あんこはちょっとゆるめで甘さはごくごく薄め。
豆の味が引き立つよう、砂糖は脇役です。
こごめ大福の特徴はなんといっても餅の部分で、もち米の粒を残して豊かな食感を実現しています。
なめらかな餅にしないことで、食べたときに歯切れが良く弾力ある皮となります。
皮と呼ぶには申し訳ないような存在感のある餅皮ながら、口の中ですぐにあんこと混ざり合い、絶妙な一体感を醸し出すのはひとえに「餅のつき具合」によるもの。
この餡にしてこの餅あり、どちらも素晴らしいです。
大福は「朝生菓子」と呼ばれる、本来の美味しさがその日のうちしかもたない和菓子の代表格。
朝生の名にふさわしい、餅の美味しさを堪能できる大福です。
●喫茶もあります
大福の代金を払っているとき、ふと横を見ると喫茶コーナーがありました。
女性がひとり座っていて、今運ばれてきたくずきりを食べようとしていました。
くずきり。。。いいな。。。
私も発作的に喫茶に入ってみました。
控えめに言っても、あまり落ち着く雰囲気とは言えなかったです。
お客さんがいなかったためか電気も半分消えているし、隅にばんじゅうや色々な荷物が積み上げられているのが目に入るし。。。(当然ながら、清潔感はありますよ)
喫茶スペースはかなり広く取っているのですが、その広さが裏目に出て、お店でも持て余しているような。
あまり喫茶を利用するお客さんはいないのかしら、もったいないなぁと思いメニューを見ると、メニューがすごく豊富。
こんなに色々なものが食べられるのに、この客席の状態はますますもったいない!
メニューを見ながら考えました。
くずきりを食べたいけれど、この状態の喫茶では作っているのはたぶんおひとり。
くずきりは作り置きできないので、都度作らなければならない手間のかかる水菓子。
ひとり注文して手間をかけてやっと作り終わってやれやれと思ったところでまた「くずきり」を注文する客が現れた場合のキッチン担当さんの気持ちとは。
私だったら「いっぺんに言ってよ!」って思います。
お客さんに罪はないけど、たぶん内心ではそう思うはず。
そんな想像をぬるぬるとふくらませるうち、くずきりを注文する勇気が萎えてしまいました。
もうまったく妄想であり考え過ぎなんですけど。
というわけで「あんみつ」を注文しました。
こう見えて気が弱すぎて困るんです。
あんみつはすぐに来ました。
食べて意外だったのは、あんみつのあんこが、大福に使われているあんこではなかったこと。
あんみつに入れると甘さが足りないのかもしれません。
よーく練られた硬めで甘めのあんでした。
型抜き羊羹のもみじが添えられているところが、老舗和菓子屋さんのあんみつっぽく上品です。
落ち着かないなぁと思っていた客席でしたが、しーんとしたお店の中でひとりあんみつをちまちま食べていると、なんだか不思議な感覚に陥ってきました。
たとえるならば、「あんまり仲良くない親戚の家に行き、仏壇にご挨拶だけさせてくださいと言ってお邪魔して、家の人がじゃあごゆっくりと言って去っていった仏間に座っているような居心地」。
所在ないのにいつまでもいたい、みたいな相反する気持ち。
わかっていただけますか?
あんみつは810円というデパートの甘味処並のお値段。
私の身分ではそうしょっちゅうは来られないですわ〜。
このカウンターでむしろコーヒー飲みたい。
竹隆庵岡埜本店
〒110-0003 東京都台東区根岸4-7-2
●(番外)岡埜栄泉
東京に30以上あるという岡埜栄泉、または岡埜とつく和菓子屋さん。
必ずしも師弟関係や系列にあるわけではなく、ほぼそれぞれ独立していると思った方がよいそうです。
その辺のことは以下のサイトに記述があるので、興味のある方はどうぞ。
・和菓子魂!「第638回 竹隆庵岡埜の『こごめ大福』」
・東京紅團「岡埜栄泉を歩く」
>>>レントゲン読影サービス Dr.LOUPE<<<