鎌倉の古民家で割れたお茶碗を繕う②
こんにちは、ペコちゃんです。
ルーペちゃんの娘さんが通う小学校は2期制で、10月に1週間ほどの秋休みなるものがあるそう。わが子達の小学校も2期制なのですが、お休みは体育の日を含む3連休のみ。地域によって違うものですね。準備大変ですが、秋のニューヨークいいなぁ。
●「鎌倉の古民家で割れたお茶碗を繕う」の続きです
今春、割ってしまったお茶碗を繕いに行きました。前回は、漆、小麦粉、水を混ぜた麦漆を使って割れた箇所を接着。硬化してからその後次の作業に入れます。教室は毎週あるものではなくてタイミングが合わずに日が空いてしまいましたが、硬化は大体2ヶ月ほど経過すれば大丈夫です。湿気と温度の高いところが硬化に最適なので、入浴後のお風呂場に置いておきました。
割れた箇所がずれずにしっかりと合っていたので、無事次の工程へ。繕いの工程は・・・1.下地で接着する 2.やすりで削り、平にする 3.金をかぶせる 4.調整 です。今日は2の「やすりで削り、平にする(+欠けた箇所にパテをのせる)」をご紹介します。
●2の工程:やすりで削り、平にする
真っ二つに割れてしまったお茶碗。茶色いものが麦漆です。はみ出している部分や凹凸のある箇所を平になるように削っていきます。使用するものは、彫刻刀の平刀(その名の通り平にするものです)とやすり。
やすりは細かいと粗いものを。今回は600番と1000番を用意してくださっていました。数字が大きくなるほど、目が細かくなります。平刀は線に沿って進めます。線に向かって(垂直に)あててしまうと、力加減によってはまた割れてしまうかもしれないので要注意。
根気よく、チョコチョコ少しずつ進めます。平刀である程度削り、細かい箇所をやすりで仕上げていくイメージです。時々はぎれに水を含ませてから拭くと削りやすい。
1時間ほどかけ、きれいに削り取ることができました。指をあてて確かめます。
●欠けた箇所にパテをのせる
指をあてて確認すると大体は割れた箇所が分からないほどでしたが、内側に少し隙間のある部分と、外側にも欠けて破片のない部分があります。パテをそこに塗り込みます。
パテは、錆び漆(さびうるし)と言います。砥の粉(とのこ:砥石の粉末)と水を混ぜ、そこに大体同量の漆(画像では茶色いペースト状のもの)を加え練っていきます。
よく練り合わさったら、先の2箇所に充塡(じゅうてん:物を詰めて欠けた所を満たす)します。
●ご注意を・・・
前回と重なりますが、漆は肌質やその時の体調によってはかぶれてしまうことがあります。漆を扱うときはビニール手袋をすると安心です。もし肌についてしまったら、サラダ油やオリーブオイルなどを布に染みこませて拭き、その後石けんで念入りに手洗いを。
●本日の作業終了
充塡した箇所はべたついているので、乾かす硬化の時間が必要です(こちらは大体2週間必要)。また自宅のお風呂場などで保管し、硬化できたら平刀ややすりで削り取ります。きれいにできたら、いよいよ次回は最後の工程「金をかぶせる」。今回その工程をされている方がいらっしゃいましたが、金粉がきれいで、新品のときとはまた違ったステキなものに見えました。楽しみたのしみ。次回の様子またお伝えしますね。